あなたは何を選びますか?


 

科学や化学などの学問の発生は、哲学が起源だといってもよいと思うのですが、近年の技術の発展はめざましく、この四半世紀をみただけでも私たちの生活は激変しています。 

 

もちろん鉱物研究の分野も例外ではありません。 

19世紀の終わりから20世紀初頭に人工石の製造に成功して以降、多くの者が研究を進めてきました。 

そのおかげもあって、現在ではあらゆる分野でさまざまな製品に人工石は利用され、私たちの生活を豊かにしてくれています。 

 

最近では器材を用いなければ専門家の目をもってしても、天然と人工のダイヤモンドの見分けがつかないくらいまで、しかもこれまでよりも安価に製造できるほど技術は躍進を遂げてきました。 

人工でこれだけよい製品を製造できてしまうと、消費者は販売店を信頼するしかありません。 

 

なので、せめてほんの少しでもここでの内容を理解していれば、選ぶ側にまわることができます。 

ここでは多少のおすすめはお伝えしますが、基本的に何が良くて何が悪いと意見するのではなく、みなさまの選択肢を増やすためのきっかけにしていただければと感じております。

  

 

パワーストーンの代表格といえばやはり水晶です。 

水晶やその仲間の鉱石を中心にみていきましょう。 

 

分類は酸化鉱物で、和名は石英(せきえい)、二酸化ケイ素(SIO2)が結晶してできた鉱物です。 

その中でも無色透明にできた結晶のことを先人たちは「水晶」と呼んで大切にしてきました。 

 

私たちが日常生活で使用しているガラス製品も二酸化ケイ素なのですが、水晶とは結晶構造が異なっているため、その働きは全く違うものとなります。 

 

 

練り物

 

パワーストーンを扱うお店などで、水晶を溶かして丸玉に形成して販売しているのを見かけたりしますが、それらは「練り物」といって残念ながらガラス玉と変わりません。 

 

溶かすことで結晶構造が変わってしまい、本来水晶が持っていた力は失われてしまっているので、購入を検討する際にはご注意ください。 

ちなみに、ここで言う水晶本来の力とは、浄化力と記憶力を土台としたものであり、これらが失われてしまっては、もはや水晶と呼ぶべきではないといえるのではないでしょうか? 

 

 

人工水晶

 

一方、「人工水晶」というものは、練り物とは異なり、天然水晶が自然界で造られる工程を人工的に再現して製造した、まさしく水晶といえる物です。 

 

ただし、人工水晶を扱う際、はじめにしっかりと浄化してどのように扱うのかをプログラムする必要があります。 

ここではこれ以上の説明は差し控えますが、天然であろうが人工であろうが正しく扱いどころを間違えなければ、問題なくエネルギーアイテムとして使用することが可能です。 

 

当店では特性を活かすという理由で、人工水晶の商品(マッサージワンドなど)を仕入れることもありますが、ブレスレットに使用するビーズの場合は、在庫がなくなってしまい仕入先には人工物しかないというような時以外、好んでは人工物の仕入れはおこしません。 

 

 

おすすめはやはり天然物です。 

 

天然物は人工物と違い、良くも悪くも荒々しさや不完全な状態の物が多く、初期設定をする必要もありませんし、なにより自然本来の温かさも備わっています。 

 

また、産地によって感じられることが異なるので、目に見えないエネルギーの世界を学んでいこうと考える入門者にはさまざまな産地の水晶を触って感じていただければと思います。 

 

もちろん、天然物であっても浄化は必要になりますので、使用する前に必ずおこなってください。 

 

 

その他の手法で処理されたもの 

 

次に紹介するのは、天然石に放射線や熱、さらには溶液に漬けて色を変えた鉱石たちです。 

流通している商品たちの半数以上はこういった処理をおこなった物になりますから、処理がしてある=天然物ではない、と判断する必要はないのかもしれません。 

 

他にも、水晶に金や銀などを人工的に蒸着させて作られる鉱石もあります。 

基本的に、元になる水晶は天然水晶を使うようですが、蒸着された水晶を一般的には人工物とみているようです。 

(このように処理された鉱石は、元々自然界に存在しない物だからなのかもしれません) 

 

これは水晶やその仲間の鉱石のことではなく別の鉱石の話になりますが、硬度が低く脆い鉱石は耐久性を上げるための処理が施されています。 

 

 

人造石

 

最後に挙げるのは、人造石です。 

人工石とは違い、人造石は見た目だけを真似して製造した模造品のことです。 

 

 

溶かして練った物、元から作りだした物、放射線を照射した物、熱した物、溶液に漬けた物、蒸着した物、耐久性を上げる処理をした物、見た目だけを真似た物をここに紹介してきましたが、ひとつとしてだめな物はないと感じます。 

 

練り物や人造石であったとしても、どういうものなのかを知っていて購入し、観賞したり身に着けて楽しむのであれば、問題ないわけです。 

 

問題なのは、知らずに購入してしまうことですから、このくらいの内容は知っていると間違いを減らせるかもしれません。 

 

 

もしあなたが、心惹かれるパワーストーンと出会って購入を迷っていたとします。 

 

「あなたに必要だから出会ったのです!」「そのチャンスを逃さないで!」などとおっしゃる方々もいらっしゃいますが、もし本当にその鉱石が自分にとって必要であるならば、少々日数をおいてもう一度そのお店に出直したとしても必ず残っているはずです。 

 

残っていなければ、「失敗した!」ではなく、「自分の所に来る予定ではなかったのだ!」と思えるような視点を持ちたいものです。 

 

美しい物や価値のある物を我が物にしたいと思うことは、この世において当然のことなのかもしれませんが、そのときにほんの少し欲を抑えることができると、冷静になって商品を見ることができます。 

 

 

一呼吸おいて今一度考えてみてください。 

 

さらに間違いを減らせるはずです。 

 

 

技術の発展は喜ばしいことなのですが、扱い方を誤ると皆が不幸になってしまいます。 

場合によっては、お店側が何も知らずに販売しているケースも多々あります。 

だからこそ十分に注意して選択していきたいものですね。